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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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ドレスコードの今昔物語

2023.05.24
クルーズエッセイ

以前はクルーズに関する質問で、「ドレスコード」についての質問を多く受けていました。
私たちも「この船に乗っている人はこんな感じの服装をしてますよ」とお伝えするために、取材で客船に乗った時は、いろんな乗客の方に声をかけて、街角スナップならぬ、“船内スナップ”を撮らせてもらったものです。

ところが、“クルーズは休暇なのだからリラックスした服装で過ごそう”という風潮になり、クルーズのドレスコードはかなり自由になりました。どんな服を持っていけばよいか、船会社やシーンごとに、最近のドレスコード事情をお伝えします。

ちなみにですが、ある旅行会社の方とお話したら、「日本船では、配られる『クルーズのしおり』的なものに従ったほうが良いとお伝えています」と言ってらっしゃいましたので、私は外国客船の服装について主にお伝えします。

出番のなくなったロングドレス

私が客船に乗り始めた25年ほど前は、「フォーマル」「インフォーマル」「カジュアル」など3つのドレスコードが日によってきっちり指定されている客船が多く、夕方になるといそいそとそれに適した服に着替えて、ディナーや食前酒のラウンジに向かったものです。

私のクローゼットにはデコルテ(肩から胸)が見えるフルレングスのドレスが10着以上眠っています。仕事柄、新しい客船の命名式などで時に1着ほど取り出すこともありますが、普段のクルーズではラグジュアリー客船であっても、気の毒なほどフォーマルドレスの出番がありません。

あまり出番がなくなった著者のフルレングスのドレスたち。薄くてシワにならないものが多く便利だったが、、、 撮影:藤原暢子

唯一活躍するのはキュナードの客船。「フォーマル」や「ブラック&ホワイト」というドレスコードの日をあえて設けているので、「なんて久しぶり!でも2週間のクルーズで2回だけか……」などと思いながら、出番の少なかった2着を選びます。男性はダークスーツで代用する方もいらっしゃいますが、これも自分の感性で決めてよいのではないでしょうか。「せっかくだから、タキシードを着こなしてみたい!」「着慣れたダークスーツにこのタイを合わせたら、ちょっとフォーマル感が楽しめるかな」などです。

思い切りクラシックにドレスアップできるのがキュナードの船。クイーン・メリーは写真を撮りたくなるスポットが多いのでドレスアップが楽しい! 撮影:藤原暢子

主流の「スマートカジュアル」は意外と難しい!

日中は寄港地観光に出かけるので、気温やツアー内容によって、歩きやすい靴や動きやすい服装です。航海日の日中もカジュアルな服装でくつろいだり、船上の色んな施設を体験したり、のんびり過ごしたりするのが普通です。

そして、基本的に夕方一旦客室に帰り、シャワーを浴びたりして夕食に向かうわけですが、最近は多くの客船が「スマート・カジュアル」(「リゾート・カジュアル」「エレガント・カジュアル」などとも呼びます)という設定になってきました。

なんとも掴みどころのない言葉ですが、「インフォーマルとカジュアルの間」で、ちょっとしたお出かけ着という感じでしょうか。私は素材も着心地のよい、ワンピースを持っていくことが多いですが、ちょっとおしゃれなパンツスーツなどもよいかもしれません。男性はGパンでなく、チノパンに軽めのジェケット(ノータイ)という感じでしょうか。

スマート・カジュアルの客船なら、このくらいがベスト。スペシャリティー・レストランやラグジュアリー船ならもう少しエレガントでも 撮影:藤原暢子

このさじ加減が難しいところですが、要はせっかくの素敵な空間でのコースディナーなので、少しおしゃれして(昼間と気分を変えて)夕食や夜の時間を過ごせる雰囲気であれば大丈夫です。コーディネートが面倒な私は小さく折り畳めて軽いワンピースを日数分入れますが、結局1日2着(日中と夜)必要になるので、「ドレスコードが緩やかになったと言いつつ、洋服は意外にかさばるなあ」というのが印象です。

そのためにも、なるべく薄めの生地のものを探しておいて、船内が寒ければ、インナー、ストール、ストッキング(これまた小さくできるもの)を用意しておいて、船内の温度に合わせてこっそり追加します。

スマート・カジュアル(オーシャニアクルーズ)でも人によってこんなに受け取り方が違う。そして体質や出身国でも体感温度も違うので半袖から長袖まで色々 撮影:藤原暢子

意外な落とし穴は特別レストランやカジュアル客船

ラグジュアリー客船社の多くがドレスコードをなくしたりしましたが、たとえば三ツ星シェフ監修の特別レストランだと、「フォーマル」が求められたり、レストラン内にふさわしい場合もあります。また、クルーズ中にパーティーがあったりするので、念のため、少しフォーマルっぽい服装を持っていったほうがよい場合もあります。

フランス客船ポナン。基本はスマート・カジュアルだが、パーティがある日もある。パーティの有無に限らず、毎晩“シックなおしゃれ”がポナン的 撮影:藤原暢子

フリースタイル・クルージングを謳っている「ノルウェージャンクルーズライン」はドレスコードもない“フリースタイル”ですが、カジュアルな客船でも、ガラ・ナイト(特別におしゃれする日)を設けていることもあります。皆で白い服を来て楽しむホワイト・ナイトやイタリアの国旗の色を服やアクセサリーに盛り込む「イタリアン・ナイト」があったりも!

MSCやコスタ・クルーズが開く「ホワイト・ナイト」。意外に皆、ちゃんと白い服を来て楽しんでいる 撮影:藤原暢子

もちろん、どれも強制ではないので、自分が楽しめる範囲で参加すればよいので慌てる必要はありません。「私も一緒に楽しみたい」と思ったら、船内や寄港地のショップで、アクセサリーやストール、服などを買ってしまうのも方法です。私は海外クルーズの時はなるべく前泊するようにしているのもあり、クルーズ前や寄港地で服を買うことがよくあります(クルーズエリアにもよりますが、日本にないデザインがあったり、その国の民族衣装のテイストが入ったものもあるので、よい思い出にもなります)。

持ってきた服がちょっと違っても船内のショップなどで買うのもまたよい思い出 撮影:藤原暢子

服装の基本は自分が楽しむために

最初は「今日はこのくらいの服装で大丈夫だったかな」と不安なドレスコードですが、よくよく考えると他の乗客の方は他の乗客の服装をそんなに気にしていないことがわかります(そう気がついて、私も時に1週間に2回同じ服を着ることもあります)。もちろん、素敵な服装をしている人を見てお手本にしたり、「今日の服装素敵ですね」など、会話のよいきっかけになったりします。ただ、お互い、休暇で客船に乗っているわけですから、ディナーにTシャツ&短パン&ビーチサンダルのような格好さえしていなければ、自分が楽しく、心地よい服を着るのが一番です。

「おしゃれをして美しい船内で家族で記念写真を撮りたい」「なかなか着る機会がなかったこの服を来てみよう」など、自分を中心に考えれば十分です。「今日は寄港地ツアーで疲れたからあまりドレスアップはしたくない」と思えば、ドレスコードが適用しないビュッフェを活用したり、客室でバスローブにくるまれてルームサービスを頼むこともできます。

寄港地ツアーなどで疲れた日はバスローブを着て、ルームサービスでのんびりしよう 撮影:藤原暢子

持っていく服装選びは楽しみたいですが、クルーズ後に持って帰ってくるのは、船上や寄港地での楽しかった思い出なので、あまり深くドレスコードについて悩まないようにしましょう。

そういう私も今も「あ、ちょっと今回カジュアルな服ばかり持ってきたかしら」「よく分からずにワンピースを持って来すぎてスーツケースにスペースがなくて、何も買えない!」と引き続き、いろんな失敗や反省を繰り返しています。

カジュアルな日もなんとなくウキウキするような服装でクルーズを楽しもう 撮影:藤原暢子
執筆者 | 藤原暢子
長崎生まれで、父は元船医、姪は客船元乗組員という海のDNAを持つ一家。1998年に英国の客船で横浜から英国まで世界半周をし、改めて船旅の魅力に開眼。フリーの編集者からクルーズ取材、撮影、執筆の仕事を徐々に増やす。2004〜2010年、2017〜2019年と約10年間、(株)海事プレス社の客船情報誌『CRUISE』の編集長を務めつつ、さまざまな媒体で国内外のクルーズを紹介(現在は同誌プロデューサー、クルーズ・ジャーナリスト)。25年間で約120隻の客船で80カ国をめぐる。仕事以外の休暇もついクルーズへ。宝物は今まで船上や寄港地で出会った人々。
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