2025年、飛鳥Ⅱが迎える最後のワールドクルーズ。そのラストジャーニーは7月の日本帰港をもって終わりを迎えますが、今回はその中でもとびきり印象的だった、南アフリカからスペインへと向かう航程の一幕をレポートします。
目次
🚢 大西洋のど真ん中で飛鳥Ⅲとの奇跡のランデブー
この期間、最も心揺さぶられた出来事は、なんといっても飛鳥Ⅲとの“サプライズ!ランデブー”。
場所は、アフリカ大陸から約2000キロも離れた孤島、英国領セントヘレナ島。ナポレオンが流刑された島として知られるこの地の沖合で、まさかの奇跡が起きました。
ケープタウンを出港し、ナミビアのウォルビスベイに立ち寄った飛鳥Ⅱ。北上を続ける中で、突如進路を変更しセントヘレナ島へと向かったのです。事前に我々乗客には何の告知もなく、まさに“サプライズ”の演出。
そしてその瞬間は訪れました。島影から静かに現れたのは、建造を終えて日本へと向かう新生・飛鳥Ⅲ。快晴の空のもと、二隻の船が対峙し、汽笛を鳴らし合う光景は、感動以外のなにものでもありませんでした。デッキでは、船員も乗客も一斉に手を振り合い、飛鳥Ⅲの航海の安全と、飛鳥Ⅱの栄光の歴史に想いを馳せる、まさに歴史的瞬間。
🌊 自然に包まれる船旅という贅沢
飛鳥の旅の魅力は、海の上で過ごす“何もしない贅沢”にこそあります。朝焼けに始まり、日中の海と空のコントラスト、そして夕焼けが海面を染める頃には、言葉では言い表せないほどの美しさに包まれます。360度、空と海に囲まれた環境で感じる、刻一刻と移ろう自然の表情。夜になれば満天の星空。陸では味わえない「風」さえ、特別なものに思えます。
📚 船内で過ごす自由な時間も魅力
次の寄港地に向かうまでの間、船内ではライブラリーでその土地の歴史や文化を調べながら、上陸時のプランを立てるのも楽しみのひとつ。時には、数日間だけ現地でのツアーに参加で一時下船し、次の港でまた合流するスタイルも選べます。まるで、動く“マイホテル”のように、希望に合わせて旅のかたちを自由に変えられるのがクルーズ旅の醍醐味です。
🧳 荷物を気にせず、身軽に世界を巡る
クルーズのもう一つの大きな魅力は、荷物を宅配で事前に送ってしまえば、乗船後はほとんど手ぶらで世界を旅できるという気軽さ。飛行機移動のような荷物制限やセキュリティチェックのストレスもなく、スーツケースひとつで多国籍な寄港地を巡れるのです。
🧘♀️ 船内エンタメ&リラクゼーションも充実
船内には移ろう景色を眺めながらの露天風呂、海水プール、ビューティーエリアも完備。ヘッドスパやネイルを受けながら、海の上を移動できるなんて夢のよう。また、船尾デッキにはゴルフのゲージがあり、プロによるレッスンを日々受けて、ホノルルでの“コースデビュー”を目指して練習する方もいらっしゃいます。囲碁やブリッジを楽しむ乗客たちの交流も活発で、まさに“海上の小さな街”。
🌐 大西洋を越えて、次なる寄港地へ
現在、飛鳥Ⅱはそれぞれの物語を乗せて、大西洋を横断中。次なる目的地ボストンへ向けて、まだまだ感動の出会いと景色が待っているはずです。世界をゆっくりと巡るこの旅は、終わりが近づくほどに、その一日一日がよりかけがえのないものに感じられます。
最後のワールドクルーズという節目にふさわしい、心揺さぶる瞬間が次々と訪れるこの旅。飛鳥Ⅱの長き航海を締めくくるにふさわしい、美しく豊かな時間が、いま海の上で流れ続けています。