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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
ホーム - クルーズ旅行記 - 多くの人が気になる10大Q&A - 【第9回】日本船と外国船の違いは?

【第9回】日本船と外国船の違いは?

2021.07.30
多くの人が気になる10大Q&A

ここ10年ぐらいの間にクルーズのイメージが大きく変わりましたね。その一番の理由は、外国船が日本をベースにした日本周遊クルーズを運行してきたことではないでしょうか?

当初はお客さまを取られるんではないかといった警戒感が日本の船会社にはあったようですが、実際には相乗効果でクルーズ人口が大幅に伸びて、日本船・外国船にこだわらないリピータの方々が増えてきました。

最近のクルーズファンの間では、両方をご自分のスケジュールと予算やコースに合わせて自由に選択することができて喜んでいる方々が多いですね。

そうはいっても初めての方にとってはやはり迷いますね。ということで、日本船と外国船の違いからお話ししましょうね。

以前までのクルーズ旅行のイメージ

クルーズというと以前は日本船を利用して国内を周遊するか、外国船クルーズを楽しみためには海外まで出かけるか、この二者択一の問題で悩んだ方も多かったと思います。

でもようやく日本の観光地や伝統文化とおもてなしに注目した外国船の船会社が、日本をベースとした定点クルーズ(発着地が同じ)を定番クルーズとして世界中で販売するようになりました。

海外のお客さまが増えるのはもちろんですが、私たち日本人にとってもこれは本当に画期的な出来事です。憧れであった外国船が本当に身近なクルーズとして登場したからです。

日本船は日帰りや1泊からの短いクルーズでも参加できますが、外国船の場合はフライ&クルーズと言って海外まで出かける必要があったわけです。

日本の場合は長い休みがとりにくいといった社会状況もあって、料金は安くてもなかなか外国船に乗る機会は少なかったわけですね。

今では日本船や外国船の幅広いラインナップから、自分の予定や目的に合わせて自由に乗船するクルーズを選べる環境が整ってきました。

日本船はおもてなしのオンパレード!

私自身は海外旅行の仕事に携わって50年近くが経っています。

200回以上は海外に出かけていると思いますが、今でも日本に帰って成田や羽田の空港に降り立つとほっとします。

これだけ世界をまわっているのに今さら日本食はないだろう!と思ったりもしますが、なぜか税関を出たとたん日本食が恋しくて家に飛んで帰ります。

日本食というと高級感がしますが、普段食べているちょっとしたものでいいんですね。ああ、やはり日本人なんだなあと毎回感じます。

その感覚こそが日本船の良さであり、日本人にあったクルーズが楽しめる所以ですね。

現在日本船は3つの客船が運航されています。

飛鳥Ⅱ / 郵船クルーズが運航

総トン数:50,142トン、乗客定員:872名、乗組員:470名

日本の客船を代表するといわれる飛鳥Ⅱ。海外の評価も高く、洋上の最高級旅館をイメージ。

日本郵船が運営することもあり、最高級のおもてなしを楽しめる。

にっぽん丸 / 商船三井客船が運航

総トン数:22,472トン、乗客定員:524名、乗組員:230名

明治時代から南米航路などの運航を続けてきた歴史ある商船三井客船。

この伝統が船内各所の運営に見られ、特にお食事は最高レベルと評判。

ぱしふぃっくびいなす / 日本クルーズ客船が運航

総トン数:26,594トン、乗客定員:620名、乗組員:220名

日本船3社の中では最も新しく、1990年から客船を運航。

「ふれんどしっぷ」をコンセプトとして、「洋上の我が家」ともいえるやすらぎのクルーズをめざす。

いずれも乗客の大半は日本人で占められることもあり、日本人向けのサービスとおもてなしを基本としています。

料金が外国船に比べるとやや高いという声をよく聞きますが、実際に乗船してみると納得のひとことです。

お食事は日本食以外に中華、洋食がバランスよく組み込まれ、朝食からランチ、ディナーとまるで高級ホテルや旅館でとっているような(いやそれ以上かも!)気がしてきますよ。

もちろん日本人シェフが監修しますから、お食事関してはいずれも文句のつけようがありませんね。

クルー(乗組員)は、フロントやレストランなどの要所々では日本人スタッフが対応します。

特にレストランでは日本人以外にもフィリピン人が多いのですが、いずれもフィリピンで運営する船会社の学校でトレーニングを積んだクルーですから日本語で対応します。

もちろん船内新聞も日本語、外国船のように言葉で悩むことはまったくありません。

船内ではたくさんのイベントが開催されますが、日本船の場合は外国船のような派手さはありませんが、フィットネス・ダンス(社交ダンスが日本人には人気)・手芸・教養講座・ナプキン折り、、、終日航海日でも飽きません。

夜のメインショーでは国内で人気のエンタテイナーが多いですね。加山雄三さんの若大将クルーズなんてのもありますし、夏川りみさんのスペシャルステージとか、岡本真夜さんや小柳ルミ子さんのステージもありましたね。

ショー以外に日本船の面白いのはテーマクルーズが多いことです。

一年中日本を周遊していますから日本の四季に合わせたテーマが設定されます。

代表的なのはお祭りと花火でしょうか。全国各地の夏祭りと花火を組み合わせたコースは最高です。

人気のお祭りは宿泊先や観覧席を確保するのが大変ですが、クルーズでは船会社がすべて手配済みですから楽々です。

  • 1月 ニューイヤー、初詣
  • 2月 バレンタイン、雪まつり
  • 3月 小笠原ホエールウォッチング
  • 4月 桜、花
  • 5月 ゴールデンウィーク
  • 6月 利尻・礼文
  • 7月 花火(熱海・大洗など)
  • 8月 夏祭り(竿燈・ねぶた・阿波踊り・よさこいなど)花火(熊野・関門海峡など)
  • 9月 シルバーウィーク、日本一周、北海道一周
  • 10月 紅葉
  • 11月 歌舞伎、ジャズ
  • 12月 クリスマス

 


どうでしょうか? 毎月参加したくなりませんか!

最近は、ワインテースティングや歌舞伎、相撲、オペラなどをテーマにした寄港地のないクルーズオンリーの短いクルーズが人気ですよ。

テーマはたくさん設定されていますからご自分の興味にあったクルーズを探してみてください。

最後にイベントなんかなくてもゆっくりクルーズを楽しみたいという方向けのクルーズ船を紹介します。

瀬戸内海で運行されている「ガンツウ」という名前で定員38名の小さな船です。

1泊40万円以上するという料金には驚きますが、キャビンやお食事のレベルはまさに最高級と言われています。

カジュアルからラグジュアリーまで 外国船の楽しさは半端じゃありません! 

外国船の場合は船を取り上げるととても書ききれません。

なにせ300隻以上客船が運航されていると言われていますから。

それこそ千差万別、船によってそれぞれの特徴があると思いますが、私の乗船経験から感じたことをお話しします。

外国船の船会社は近年M&Aが進みブランド名を残しながらある程度の系列化が進んでいます。

カーニバル・コ-ポレーション

カーニバル / プリンセス / キュナード / コスタ / ホーランドアメリカ /シーボーン / P&O など

ロイヤルカリビアン・クルーズ

ロイヤル・カリビアン / セレブリティ / アザマラ / プルマン・トゥールなど

ノルウェージャン・クルーズライン

ノルウェージャン / オーシャニア / リージェント・セブンシーズ など

ゲンティン香港

オリエントライン / スタークルーズ / クリスタル など

その他独立系

ディズニー / MSC / シルバーシー / ウィンドスター / シークラウド /ハパグロイド / セレスティアル / 日本船3社など

大まかに分けるとこんな感じでしょうか。それぞれについては機会をあらためて説明しますが、まず船の大きさの違いに圧倒されます。

日本船は一番大きな飛鳥Ⅱでも約5万㌧です。最近の外国船はほとんどが10万㌧を超える船が多いのが現状です。

最大級の船では22万㌧クラスで、乗客定員5000名を超える船まであります。クルーを入れると8000名以上になります。

もうこれはりっぱな町(都市?)ですね。このスケール感は日本船では無理ですね。

最初にお話ししたように、日本発着の外国船クルーズが増えていて、従来のフライ&クルーズ(F&C)と分けて考えた方がいいかもわかりませんね。

フライ&クルーズ / いわゆる海外でのクルーズ

外国船の場合はまず言葉が英語が共通としてあり、あとは会社の所属やコースによりそれぞれの国の言語が使用されます。

日本船が日本語のみと同じように、ハパグロイドはドイツの船会社ですから基本はドイツ語となりますが英語も多少通用します。

どの船の場合でも、ある程度は英語が分かればそれほど不便は感じないでしょう。船内の新聞もほとんどが英語新聞が基本です。アジアでも同様です。

最近は日本人のお客さまを意識して日本人スタッフを乗船させて日本語船内新聞を発行するケースも増えています。地中海やカリブ海・アジアなどで多いです。

日本人スタッフが乗船していなくても翻訳機を使って翻訳して発行する船会社もあります。機会が翻訳しているせいか、内容でチョット?で笑ってしまう新聞もありますが、内容は理解できますよ。

お食事は世界各国のメニューが日替わりで出てきますからバリエーションはすごいです。

ヨーロッパ系はもとよりアジア・アメリカなど各国のメニューが組み込まれていて、最近は日本食(もどき)も多くなっていますが個人的にはちょっと?ですが楽しいですよ。

特別なメニューを提供したり、世界各国のメニューを提供する有料レストランで特別感を味わうのも楽しいですよ。

料金は日本で食事することを考えたらかえって割安感があり、洋上という雰囲気を考えたら絶対におすすめします。

表題に外国船の楽しさは半端じゃないと書きました。

日本船はお客様の年齢層が高いので、どうしても年配の方を意識したショーやイベントが多くなります。

外国船は国籍・年齢・参加形態(グループ・個人)などみなバラバラですので、すべてのお客様が満足できるようたくさんのイベントが用意されているんです。

書き始めるときりがないのですが、とにかく日本ではえっと思われるようなイベントや、超超一流のショーがあったり若い人から年配の方までみないっしょに楽しんでいるのが外国船の特徴です。

ですから気楽に参加して、疲れたら無料のドリンクで一休み、フルコースのディナーの後は超超一流のショーを楽しむ、これぞ外国船の醍醐味です。

でもイベントへの参加は自由です。のんびりと読書したり静かにお話しするスペースも充実しているところが大型客船の良さのひとつでもあります。以外に静かなスペースが多いのも特徴ですよ。

そうそうダンスについて一言。日本船ではいわゆる社交ダンス教室がメインですが、外国船の場合はダンス教室というと社交ダンスより、サルサとかラテン系ノダンス、アメリカのチャチャダンスやチーク系といったポピュラーなダンスがほとんどです。

乗りの良さで勝負できるものが多いので楽しいですね。社交ダンスが多いのはあのクィーンエリザベスを運航するキュナードラインでしょう。さすが英国紳士淑女たちのダンスはほれぼれします。

あまりにもイベントが多くてうるさいとおっしゃる方も時にはいます。ディナーの時にお礼を兼ねてウエイターがテーブル周りを音楽にのせてまわります。

ある船ではウエイターが空いているテーブルの上に載ってダンスまでする船もありました。これはちょっと行き過ぎではないかと思いましたが、まあ確かに日本人の性格を考えるとちょっとという場面もありますね。

でもこれは船を選択することで解決できます。最近のラグジュアリー船は、船内イベントというよりはクルーズそのものをゆったりと楽しみたいという方々に人気があります。

何よりもクルーの対応が素晴らしいのです。乗客の数が少ないためか、お客さまの名前と顔をすぐ覚えて名前で呼んでくれます。

大したことではないのですがちょっとしたサプライズでこれはうれしいですね。ドレスコードもなく堅苦しさもありません。

気楽に自分だけの世界を満喫するにはラグジュアリー船は最適です。その意味ではリバークルーズもいいですね。

日本発着による日本周遊クルーズ

日本の伝統文化に対して最近は世界中の注目が集まっていて、世界中のお客さまが日本を訪れてています。いわゆるインバウンドですね。

クルーズも日本周遊が大人気になってきましたが、日本のお客様にとってもこれはその恩恵をかなり受けました。

今までは外国船に乗るためには海外までの往復の時間と費用が掛かっていたのですが、外国船が日本発着を運行することで気軽に外国船が体験できるようになり、日本船しか知らなかった方々が外国船の楽しさを体験できるようになったのです。

なんといっても外国船は料金が安いというのが魅力です。1泊あたり15000円ぐらいから参加できます。

宿泊・食事・交通費などがすべて含まれるいわゆるオールインクルーシブであることを考えると、そのコストパフォ-マンスは絶大です。

一週間でも10万円を切るクルーズもあるぐらいです。ただ安いというのではなく、その内容は一流のホテル生活+エンタテイメント+交通費ですからね。

日本人はどちらかというと5~7泊ぐらいのショートクルーズに人気が集まります。やはりお休みの関係でしょう。外国人は少なく2~3割ぐらいでしょうか。

7泊以上のロングクルーズになるとこの割合が逆転します。より外国船らしさを求める方はどちらかというと長いクルーズに参加されることをおすすめします。

でもあくまで外国船ですから船内での運営は海外でのクルーズと基本的には同じです。それに日本的な要素が加わりより一層楽しさが増します。

和食メニューや日本語スタッフの充実はもちろんです。朝食に和定食が出たり、ランチにはお寿司や麺類が提供されたりします。

寄港地が日本各地ですから今まで生きづらかった観光地が楽に訪問できる点が一番のメリットではないでしょうか。

東北や北海道、日本海側、九州・四国、普段時間と予算の関係で行きづらかった地方へ、寝ている間に簡単に運んでくれます。

日本船同様にお祭りや花火などの日本の地方文化をテーマにしたクルーズが組み込まれていますし、食べたかった地方の名物料理も手軽に味わえます。日本再発見のグッド・チャンスです。

日本船と外国船 どちらが? 

これはもう究極の選択です。私自身にとってはもう結論が出せません。どちらに乗船しても最高の体験が待っている、としか言いようがありませんね。両方ぜひ体験してくださいというのが本音です。

とは言いながらもやはり決めるとなればそれは休みがとれる期間と目的、予算を考慮して決めるしかないですね。上述してきた日本船と外国船の特徴をまとめるとこんな感じになります。

日本船

  • 船内は日本語のみ、スタッフも日本語、日本食が基本で中華・洋食も
  • 日数は1泊からでショートクルーズが多い、寄港地は日本国内が中心
  • 季節に合わせたテーマクル-ズ
  • 小型船ならではのイベント構成と落ち着いた船内
  • 乗客は日本人が中心で外国人はほとんどいない、年配の方が中心
  • 料金はお一人1泊45,000円ぐらいから

外国船

  • 船内は英語が中心、クルーズにより日本語スタッフも乗船、インターナショナルな食事、時にはアジア・日本食も
  • 日数は5泊からで7~14泊が多い、寄港地は世界中あらゆる地域に、日本発着の周遊クルーズも
  • 季節に合わせたテーマクル-ズは日本ほどではないが、季節・宗教にあわせて
  • 大型船が中心、船内の広さを生かした一流ショーやイベントが目白押し
  • 世界50ヶ国以上の乗客とクルーが乗船。年齢層はキッズから年配の方まで幅広く広がり、ファミリー・カップル・グループと様々
  • 料金は一人1泊10,000円ぐらいから

 


いつも申し上げるのですが、クルーズは日本船や外国船で良し悪しは決まりませんし、料金でも判断できません。

ご自分の過去の体験と趣味、予算などを考慮して決める方がいいといます。でも、いつどんな船でどこへ行こうとクルーズの楽しみは変わりません。

海はいつでも変わらず皆さんを暖かく迎えてくれます。デッキから望む地球の姿はどんな船からでも変わりません。

執筆者 | 小林進
クルーズ
マスター
1973年物流系の大手旅行社に入社、海外パッケージの販売促進を担当。5年後に団体営業の部署に移動、企業研修視察や国際交流基金・歌舞伎の海外公演など日本の伝統文化団体の海外交流ツアーなどを主に営業を行う。1985年からは、「友情の船」と題した小中学生のグアム・サイパンへのクルーズ研修企画をフジテレビおよびその系列の数局と10数年に渡り実施。またシニアの洋上研修なども実施しながら外国客船を利用した一般海外クルーズの企画販売にも取り組む。2001年にクルーズ専門旅行社に移り本格的に海外クルーズの企画販売を15年以上専任担当、2016年からクルーズバケーションで現在に至る。以前より若い世代のクルーズ体験や研修に注目し、大学や専門学校の研修クルーズに力を注いでいる。海外添乗・出張は200回以上、クルーズ添乗は国内外で約150回以上、世界中の客船やリバークルーズ船に乗船し訪れた寄港地は200都市以上におよぶ。(2008年日本外航客船協会クルーズマスター認定/認定番号0026)
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