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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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船酔いさん、サヨウナラ

2021.08.13
クルーズエッセイ

 「クルーズしてみたいけれど船酔いが心配なの。」「以前フェリーで酔った経験があるので、ちょっと不安があります。」という方が驚くほど多いのです。

以前、横浜に停泊している氷川丸に友人と乗ったら、船上から波が揺れるのを見て、友人はもう青ざめてしまいました。船は動いていないのですが。

さて、今回は私が今まで経験した船酔いについてと、船酔いに負けない体づくりについてお話ししていこうと思います。

初めてのクルーズで船酔い

私が初代飛鳥のクルーをしている時に、母と叔母を招待したことがあります。(写真は飛鳥Ⅱですが)長崎から横浜までの2泊3日クルーズでした。母は車や船に弱かったのですが、私が勤務しているので無理して乗ってくれたのです。

あいにく強風で出航後すぐに船は揺れ出しました。

「ちょっと、キャビンから出られない。」とのことでディナーはキャンセル。そしてなんと横浜まで、たった一回しかレストランに行けなかったのです。

叔母は残念ながら、毎晩「ひとり飯」状態でした。まぁ仕方ないですよね、船酔いですから。

酔う前に薬を飲むとか、ツボを刺激するリストバンドを付けるとか、医師の処方箋で耳の後ろに貼るパッチを入手するとか、さまざまな予防法が知られています。みなさん、試されたことありますか。

それでも酔ってしまったらどうしましょう

もし歩けるならば、キャビンを出て少し広い公室へ移動しできるだけ遠くを眺めると良いと言われています。

食事は軽く、水分を補給しオレンジジュースなどの果汁や甘いドリンクを避けるのがベター。

そして最後の手段がドクターによる注射でぐっすり眠って起きれば、船は港に到着しているかもしれません。

これが今までの船酔いに対する予防と対症療法でした。昭和のころからあまり変化はなかったような。

「私は船に弱くて。」「あら、そうなの。大変ね。でも慣れるものよ。」といった会話で終わっていたのです。

船酔いに強い体をつくる

でも、昨今は違います。船酔いに強い体をつくる、という積極的なアプローチが紹介され始めました。

今日から自宅でトレーニングすることで、船酔いに負けない体力をつけることも可能なのです。

それは体幹トレーニングといわれるもの。体の幹とはすなわち胴体のことです。首、腕、足を除いた部分になります。

胸や背中などの大きな筋肉がありますから、これをゆっくり繰り返し鍛えることで体の安定感が増し、転倒を防ぎ、揺れに強い体になるそうです。

たとえ船に乗らなくても、日常生活にも役立ちますね。

スケート界のエース羽生選手を、ちょっと思い浮かべてみて下さい。何度も高くジャンプしクルクル回転しても、ピタッと着地を決めています。あれは体幹が鍛えられているからだそう。

バレリーナの皆さんだって首をクルクル美しく回して、踊っています。彼女らも筋肉がスゴイことはよく知られているところ。

また体操選手も同じこと。床体操で着地したら、優秀な選手はまったく微動だにしません。これらは体幹が鍛えられている証拠だそうです。体幹が強いと、体はまるで銅像のように動きません。

揺れに強い体はトレーニングで作れそうだ、と私が確信したのは航空会社でパーサーをしている友人の話を聞いた時でした。「揺れに強くなるよう電車やバスでは手すりやつり革につかまらないようにしているの。だんだん仕事がしやすくなったわよ。」

これだ!私も客船乗りですから、揺れにもっと強くなりたいと思いました。そして体幹トレーニングを知ったのです。

今からオリンピック選手を目指すわけではありませんから、ゆる~く「弱」からスタートしました。

バランスをとるのは朝晩の歯磨きで。片足で立つようにして歯磨きを3分してみます。これ、けっこう簡単そうでグラグラするんですよね。でもだんだん動かなくなっていきます。

歯磨きと同時でなくても、手すりにしっかりつかまって1分間の片足立ちでも十分です。体重が片足にかかるため、歩かなくても骨密度が上がり「ツルの一本足」などとよばれケアホームでも行われているとか。

電車やバスの中で手すりに摑まらない訓練は十分自信がついてからにしましょう。手すりに摑まらないのは感染防止に良いですが急な大きな揺れは危険ですので。

体幹トレーニングで有名なプラン

体幹トレーニングで有名なのはプランクという運動です。飛んだり跳ねたりしません。

うつ伏せに寝て、両肘で体を支え両足を肩幅に開くだけ。背中をまっすぐにして、この姿勢をキープ。10~20秒できたら最高です。

仰向けに寝て膝を持ち上げ、腰を持ち上げるものなど、このプランクには種類がけっこうあります。朝でも夜でもニュースを観ながらでもできる「家トレ」。

筋力がついて疲れにくくなり、腰痛防止にもなり、だんだん船に酔いにくい体ができたら素晴らしいと思いませんか。

コロナ禍で健康の大切さが再認識されています。免疫力をつけるというのもそうですが、医療や薬に頼るのではなく、自分で少しずつトレーニングして強い体をつくれたら理想的。

そしてクルーズも不安を減らして出かけることが可能になるでしょう。

もう一枚の写真は最後の秘境と言われている南極。マグロみたいにコロコロした動物が飛んでいます。これはペンギンさん。

ペンギンといえばヨチヨチ歩くイメージですが水を得たらスゴイのです。さすが海鳥ですね。ジャンプする高さといい泳ぐスピードといい動物園では見られないありのままの姿が南極で見られます。

でも南極へ行くにはドレーク海峡という有名な難所があります。信じられないほどまったく揺れない時もあれば、暴風圏らしく数日揺さぶられることも。

でも難所を超えれば、そこには巨大な氷山やペンギンの群れ、青く輝く南極の世界が待っているのです。

船が揺れても負けないぞ、という気持ちと体を用意できたら、その時が乗船のチャンスかもしれません。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーンエリザベス2世号と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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