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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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古代から中世へ 美しい歴史の街が息づくヨーロッパの船旅

2021.08.11
歴史と自然満載クルーズエリア

世界のクルーズ・エリアの中でも、日本人乗客に人気が高いのはやっぱりヨーロッパですね。

実際に乗船した人数では安・近・短であるアジアにはかないませんが、潜在的な希望をとってみるとやはりヨーロッパに対するあこがれが高いことがわかります。

これは古代から現代までの数千年以上の歴史とその文化の痕跡が、現在でも各地に残されており、私たちが学校で習った歴史と文化がそのまま体感できることが大きな要因でしょうね。

ただ一口にヨーロッパと言っても、クルーズの場合はやはり海から訪れることが大前提ですね。

歴史の中で重要な役割を担ってきた船が寄港できる港町は、古代からヨーロッパの発展を支えてきましたが、ヨーロッパ大陸を取り囲む海、地中海(アドリア海・エーゲ海を含む)、バルト海・ノルウェーフィヨルド、大西洋(特にイベリア半島沿岸)などのエリアに分けられますね。

それぞれのエリアの持つ自然と歴史によってその地域の観光ポイントも異なってきますよ。

クルーズのベストシーズン

ヨーロッパのベストシーズンというとやはり夏のシーズンです。ただ、地中海方面とバルト海を含む北ヨーロッパでは若干異なりますね。

夏のシーズンを過ぎるとほとんどの客船は温かいカリブ海に移動してしまい、冬場は一部の船会社を除きカナリア諸島・マデイラ島のクルーズが中心になります。一般的には下記のとおりです。

地中海

4月~11月がクルーズシーズンですが、その中でもあえてベストシーズンといえば、5月~10月が最高です。

ただし、その年の天候によってかなり左右されることも有るのでご注意ください。

北ヨーロッパ

北ヨーロッパは主に5月~9月がクルーズシーズンになります。

主要な寄港地

数ある港の中からクルーズ会社が寄港地として取り上げる街は、ある程度パターン化しています。

クルーズのパターンとしては、出発港と帰着港が同じ定点発着クルーズと、帰着地が異なる片道のクルーズ、の2種類に分けられます。

出発と帰着に選ばれる港は、港の大きさや施設、乗船客のアクセス、観光ポイントなどを考慮して決められるんですね。

近年の世界的なクルーズブームの中で、発着地として利用される頻度が高いのは下記の港町です。

イタリア チビタベッキア/ローマ、ベニス、ジェノバ
フランス マルセイユ
スペイン バルセロナ
ポルトガル リスボン
イギリス サザンプトン、ドーバー
オランダ アムステルダム
ギリシア ピレウス/アテネ
トルコ イスタンブール
ドイツ ハンブルグ、キール、リューベック
デンマーク コペンハーゲン
スウェーデン ストックホルム
ノルウェー オスロ、ベルゲン

もちろんこれ以外にもコースによって個別に設定されることも有ります。

具体的なエリアとクルーズコース例

地中海からアドリア海・エーゲ海にかけて

地中海と一口に言ってもその範囲はかなり広く、クルーズの場合は大きく分けて3つのエリアに分けられます。

西地中海

一般的に地中海と言うとこのエリアをさす場合が多いですね。

イタリア半島から西、スペインまで、具体的にはイタリア西岸からフランス・スペインの沿岸地方、バレアレス諸島やコルシカ島・サルジニア島、そしてシチリア島とマルタ島、さらに北アフリカのチュニジアまで広がっています。

アドリア海

イタリア半島と旧東ヨーロッパに位置するバルカン半島に挟まれたアドリア海は、近年陸上のツアーでも人気が出ていますが、クルーズの世界では以前から非常に人気を誇ってきた海域です。

特に人気のあるクロアチアは、古代ギリシアの植民地から古代ローマ帝国ディオクレティアヌス帝が宮殿を作り、中世にはヴェネツィアやジェノヴァと並ぶ多くの都市国家がアドリア海沿岸地方に建設された歴史があります。

特に北部ダルマチア地方の海岸線では穏やかな海に浮かぶ美しい島々が点在し、沿岸には都市国家時代そのままの城塞都市が続きます。

ドブロブニク、スピリット、トロギールといった城塞都市とクロアチア沿岸部が持つ複雑な地形の絶景は、エーゲ海とはまた異った意味でゆったりとした船旅を提供してくれます。

また、クロアチア以外にもバーリやラベンナ/イタリア、コトル/モンテネグロといった海港都市も風光明美な景観を構成しており、世界遺産アルベロベッロに近いバーリや世界で最も美しい湾のひとつといわれるコトル湾のクルージングは言葉を失ってしまうほど美しいですよ。

エーゲ海

クルーズと言えばエーゲ海かカリブ海、と代名詞にもなっている人気のエリア。

真っ青にすんだ空と紺碧の海、そこに浮かぶ島々と古代の遺跡群、日本人にとっては全くの別世界が広がっています。

ミコノス・サントリーニ・クレタ・ロードスといった島々が代表的ですが、この4島とアテネを組み合わせたコースが代表的なエーゲ海クルーズです。

またエーゲ海はギリシアと思いがちですが、実際にはエーゲ海を挟んだトルコにもクルーズならではの寄港地があるんですよ。

古代ギリシア・ローマ時代の遺跡が発掘されたエフェソスの遺跡に近いクサダシが代表的なリゾート港として有名ですね。

◎この3つのエリアを組み合わせた10泊~15泊ぐらいのやや長いクルーズも人気です。さらにイベリア半島や北ヨーロッパなど他の地域を組み合わせたさらに長いクルーズも有りますよ。

イベリア半島周遊

近年のスペイン人気とともに各船会社が力を入れてきたイベリア半島。

ジブラルタル海峡を挟み、北アフリカのモロッコに隣接していて、7世紀ごろイスラム教の勢力がこのジブラルタルを経由してヨーロッパ大陸に進出、そのためスペインにはアラブ文化とキリスト教文化が入り混じった独特の文化が残されているんですね。

特にエキゾチックなアンダルシア地方は特に日本人にも大人気。また、ポルトガルを挟んだスペイン北部ガリシア地方や、アンダルシア地方とは異なった独自の文化を持つバスク地方なども注目ですよ。

私の一押しは、スペイン・ガリシア地方にある世界遺産サンチアゴ・デ・コンポステーラ旧市街ですね。

北のア・コールニャか南のヴィーゴ、この両寄港地のどちらからもバスで約1時間半の内陸都市です。

聖ヨハネの遺体が安置されているという大聖堂があり、キリスト教の世界三大聖地のひとつとなっています。ピレネー山脈を越えて現在もヨーロッパ各国(世界中ですね)から巡礼者が絶えません。

それと、ポルトガル・リスボンの郊外にあるロカ岬です。ヨーロッパ大陸最西端の岬です。

これといった絶景というよりは、今自分がヨーロッパの一番西の端にいることを実感して大西洋を見ていると、この海の向こうにアメリカ大陸があるのかという感慨で涙があふれそうになります。

リスボン市内でエンリケ航海王子のモニュメントを見た後で来ると、なおさらその感が深まりますよ。

北欧・バルト海

このエリアは大きく2つに分けられます。

バルト海沿岸

北ドイツ・バルト三国・ロシアとデンマーク・スウェーデン・フィンランドに囲まれたバルト海沿岸には、中世ハンザ同盟として栄えたいわゆる「自由ハンザ同盟都市」が点在しています。

また、ロシアのサンクトペテルブルグにはロマノフ王朝とロシア正教が誇る数々の史跡や遺品が残されているし、バルト三国(リトアニア・ラトビア・リガ)には、ヨーロッパとロシアに挟まれた独特の文化が育っています。

北欧の三ヶ国はヴァイキングが活動した拠点として知られているんですが、美しい自然と近代的な都市づくりがみごとにマッチした近代国家に変貌しています。

スカンジナビア半島

スカンジナビア半島の西側を占めるノルウェーは、南北に細長く続き北の一部は北極圏に含まれます。

ハンザ同盟都市でもあったベルゲン周辺から北に続くフィヨルド地帯には、たくさんのフィヨルドと氷河が見られ、クルーズ船でフィヨルドを眺めながら進む体験は言葉を失うほどです。

英国周遊とアイルランド・アイスランド

イギリス(又は英国)は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」というのが正式な国名ですが、いわゆるイギリス本島(グレートブリテン島)も南東部イングランド・南西部ウェールズ・北部スコットランドと3つの自治区に分けられています。

ロンドンを中心としたイングランドには、英国国教会の歴史を物語る歴史的建造物や都市が多く点在し、コッツウォールズ地方には世界一美しい村とも言われるのどかな田園風景が広がっています。

また、スコッチ・ウィスキーの故郷に広がる広大なハイランド地方や、フェロー・シェトランド・オークニー諸島も見所です。

アイルランド島はイギリスに属する北アイルランドとアイルランド共和国に分かれます。

クルーズでは英国本島とアイルランド両者を組み合わせたコースが多く、さらに北西に進むと北極圏に近いアイスランドがあり、温泉と火山の国として有名です。

北ヨーロッパ沿岸地方とチャネル諸島

北海・ドーバー海峡・英国海峡と続くイギリスの対岸である北ヨーロッパには、ベネルクス三国(オランダ・ベルギー・ルクセンブルグ)とフランス北部地方が含まれますが、クルーズの寄港地としてはオランダとベルギーが中心となります。

 

オランダは海洋国家として中世から世界中に進出してきた歴史は学生時代に習いましたね。沿岸地方にはアムステルダムやロッテルダムといった世界的規模の大きな港を持っています。

オランダと言えば風車とお花と画家(レンブラント・フェルメールなど)といったイメージですが、小さな国土にはこじんまりとしたかわいらしい街々が点在し、アムステルダムは北ヨーロッパやバルト海クルーズの拠点でもあります。

ベルギーのブルージュは知る人ぞ知るヨーロッパの美しい古都の一つで、ゼーブルージュと呼ばれる港町から近く、日帰りでも十分楽しむことができます。

ノルマンディー周辺のフランス北部沿岸地方には印象派の街ルーアンやル・アーブル、そして世界遺産として世界的に有名なモンサンミッシェル修道院があります。

最近4~5泊のショートクルーズで人気なのが英国海峡に浮かぶチャネル諸島。英国王室の属領となっていますが、中でもガーンジー島にある絵のように美しい港町セント・ピーターポートが人気ですね。

カナリア諸島とマデイラ島

ヨーロッパとアメリカの両大陸の間には何がありますか?そうですね、大西洋が横たわっていますね。

世界地図を開いても何もないような印象を受けますが、実はコロンブスの新大陸発見に大きくかかわる島々があるんですよ。それも現在はヨーロッパの憧れのリゾート地として知る人ぞ知る島々です。

ヨーロッパとアフリカから大西洋を西へ進むと、「常春の島」とも言われるスペイン領カナリア諸島と、「大西洋の真珠」と呼ばれるポルトガル領マデイラ諸島が浮かんでいます。

ヨーロッパ大陸からは航空機の直行便が飛んでいて、いずれもヨーロッパ屈指のリゾート地として年間一千万人以上の観光客が訪れています。

日本人にはあまり知られていませんが、実はクルーズの世界でも隠れた人気コースのひとつですよ。

スペイン・ポルトガルを含むイベリア半島から約1800km、モロッコ沿岸アフリカ大陸から約120kmに位置するカナリア諸島は、平均気温が冬でも約18℃と温暖な気候持ち、大小13からなる火山島にもかかわらずバラエティに富む自然環境が変化に富んだたくさんの絶景を生み出しています。

イベリア半島から約1000km、アルリカ大陸からは約800km、カナリア諸島より少し北に位置するマデイラ諸島も、カナリア諸島同様温暖な気候に恵まれ一年中花が咲き乱れる美しい「花かごの島」として人気で、ヨーロッパ大陸からたくさんのチャーター便も飛んできます。

皆さんよくご存じのおいしいワインがありますよ。そう、「マデイラワイン」。マデイラ島の中心フンシャル市街のワインロッジでは見学と試飲が楽しめるんですね。

いずれも中世からヨーロッパの歴史とともに発展し、新大陸発見のベースともなった両諸島、一度は船で訪れてみたい大西洋の島々です。

その前後にはモロッコやジブラルタル海峡などが組み込まれるエキゾチックなクルーズが体験できます。

黒海

ヨーロッパ大陸とアジア大陸をつなぐのは、ボスポラス海峡で隔てられたトルコのイスタンブールですね。

エーゲ海からイスタンブールを左右に見ながらボスポラス海峡を抜け出たところがいわゆる黒海になります。

トルコ以外にブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、ジョージアの各国がぐるりと囲んでいます。

バルカン半島、ウクライナ・クリミア半島が突き出ていて、現在は政情が安定していないこともあり、クルーズ船のコースには入っていませんが、見どころはたくさんあります。

皆さんのイメージがわかないかもしれませんが、実はあのドナウ河はこの黒海に注ぎ込んでいるのですよ。

実際にはコンスタンツァというルーマニアの街の周辺のデルタ地帯ですが、ドナウ河クルーズの終点にもなっています。

ルーマニアの北には「戦艦ポチョムキン」の舞台となったオデッサ、ヤルタ会談の舞台となったヤルタなどの寄港地組みいれられ、エーゲ海・トルコと組み合わされたコースは非常に魅力的です。

ちなみにトルコはイスタンブール市街だけではなく、アヤソフィア・ブルーモスクなどのモスクやトプカピ宮殿を左右に見ながらゆったり進むと、さながら映画のシーンのようでまるで自分が主役になったような錯覚さえ覚えますよ。

エーゲ海沿岸にもトロイやエフェソスの古代ギリシアの遺跡は必見ですね。

まとめ

今や世界中の人々がクルーズを楽しんでいます。その中でもクルーズ発祥の地でもあるヨーロッパ、皆さんの興味を引き付けるのはやはりヨーロッパだからでしょうか。

歴史的に見ても古代から近世までの伝統と文化は、常にヨーロッパの海と共に広がり引き継がれてきました。

クルーズを楽しむ人たちにとっては、まさにスタートラインでありまた終着駅でもあるでしょう。ぜひ船旅を楽しみながらヨーロッパに触れる楽しみを感じてください。

執筆者 | 小林進
クルーズ
マスター
1973年物流系の大手旅行社に入社、海外パッケージの販売促進を担当。5年後に団体営業の部署に移動、企業研修視察や国際交流基金・歌舞伎の海外公演など日本の伝統文化団体の海外交流ツアーなどを主に営業を行う。1985年からは、「友情の船」と題した小中学生のグアム・サイパンへのクルーズ研修企画をフジテレビおよびその系列の数局と10数年に渡り実施。またシニアの洋上研修なども実施しながら外国客船を利用した一般海外クルーズの企画販売にも取り組む。2001年にクルーズ専門旅行社に移り本格的に海外クルーズの企画販売を15年以上専任担当、2016年からクルーズバケーションで現在に至る。以前より若い世代のクルーズ体験や研修に注目し、大学や専門学校の研修クルーズに力を注いでいる。海外添乗・出張は200回以上、クルーズ添乗は国内外で約150回以上、世界中の客船やリバークルーズ船に乗船し訪れた寄港地は200都市以上におよぶ。(2008年日本外航客船協会クルーズマスター認定/認定番号0026)
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