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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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南極に行ってみたい

2021.12.22
クルーズエッセイ

地球温暖化をくい止めようと世界各国が対策を進めています。できるだけ環境を傷つけないエコな寄港地ツアーも一般的になりました。今回は全ての上陸ツアーが料金に含まれる南極クルーズのご紹介をしましょう。

2021年冬からクルーズ再開

他のクルーズと同様に、南極エリアもコロナ禍で長らく客船の動きが止まっていました。やっと再開したのは2021年10月末です。初冬から始まり翌年の2月下旬までが毎年のシーズンになります。なぜなら南極の夏になるので観光しやすくなるから。今年は15隻以上もの探検船が配船されました。

ではどうやって南極にアクセスするのでしょうか。最も一般的なのはアルゼンチンの南端ウシュアイアから乗船すること。又はチリのプンタ・アレーナスから出航する船もあります。どちらもドレーク海峡という悪名高き難所を通過して南極半島へ向かうのですが、フライ&クルーズでこれを避ける方法も。プンタ・アレーナスからサウスシェットランド諸島のキング・ジョージ島まで飛行機を利用するのです。高額になりますが船酔いしませんし、とても早いのが利点でしょう。

かつて探検家だけが行ける特殊な場所だった南極。ところが1960年代には一般の観光客でも行けるようになったのです。その唯一の方法は客船のみ。氷に強い耐氷船で南極海をクルーズしていきます。今ではなんと年間3万人以上も訪れているとか。

南緯60度以南にあたる南極に上陸するには南極条約に基づき、環境省への届け出が必要になります。クルーズを申し込めば担当会社が船舶名などを記入してくれるので、必要なのは署名捺印ぐらい。南極がいかに特別な目的地であるか、この届け出からもわかりますね。

南極半島やフォークランド諸島に上陸

一言に南極クルーズといっても、コースや日数がいろいろあります。大別すると2つです。南極半島の西側を数か所訪れ、その後ちがう近隣の諸島にも立ち寄るのです。

1)南極半島+サウス・シェットランド諸島(約11日)

パンフレットに記載された通りには進まないのが探検クルーズの醍醐味です。すべて海氷や天候次第で毎日航路が発表されていきます。南極半島の一般的な上陸地はネコハーバーやダンコ島があり、氷山が美しいルメール海峡も通過。アルゼンチンの南極基地を訪問して隊員からお土産を買ったり、英国のポート・ロックロイ基地からペンギンのマーク入り特製スタンプを押して郵便を出すこともできます。

20以上もの島からなるサウス・シェットランド諸島では火山のデセプション島が最も人気でしょう。砂浜から温泉のように湯気が立ちのぼり水着を着て行って浸かる人も。このコースではペンギンも数種類、アザラシや鯨、フルマカモメなど多くの動物に遭遇できます。

2)南極半島+フォークランド諸島、サウス・ジョージア島、サウス・オークニー諸島(約3週間)

このコースは、南極半島では見られないイワトビペンギンやマゼランペンギン、巨大なゾウアザラシに会えるフォークランド諸島へ行きます。キング・ペンギンは、サウス・ジョージア島へ行けば大きな営巣地があります。写真では分かりませんが、鳴き声がすごい、すごい。数万羽という数ですから、屋外とはいえ排泄物の匂いにも驚くでしょう。

ニコハーバー

ゾーディアック(エンジン付き強化ゴムボート)で上陸し、それぞれ1時間ぐらい散策するのが通常ですが、もう少し見ていたいな、と誰もが思うはず。写真ではなく目や脳のほうに景色を残したいですね。

はじめての南極クルーズ

最後に私の南極デビューをご紹介しましょう。2001年ちょうど20年前の12月でした。船はドイツ船ブレーメン(6752トン、乗客164人)。日本郵船がフロンティアスピリットとして三菱神戸造船所で建造し、1990年に就航した探検船です。

命名者は、昭和の長寿番組で有名な「世界の旅」の故兼高かおる女史。日本郵船は平成になって客船事業を再開した際に、松竹梅プロジェクトを設立。松はクリスタルハーモニー(現飛鳥Ⅱ)、竹は初代飛鳥そして小梅ちゃんと呼ばれたのが本船でした。

ウシュアイア港から乗船しクリスマスと新年を南極で過ごすという3週間のロングクルーズです。ドイツ船とはいえ、乗ってみたらライブラリーにはフロンティアスピリット時代の日本語書籍があり、トイレ便座が日本人向きに低く親近感がありました。

世界一荒れる海峡として知られるドレーク海峡では南極へ向かう「洗礼」を拝受。でも全く揺れずリバークルーズのような時もあるのです。航海日はバードウオッチングをしたり、ペンギン等に関するレクチャーを聞いたりお勉強も。パルカ(防水防寒ジャケット)を頂き長靴を借りて南極条約の説明も受け、上陸の準備をしていきます。

ブレーメン

船社のハパグロイドクルーズはラグジュアリーな客船オイローパ2などを所有することで知られています。このクルーズでもグルメが楽しめましたし、探検船としての操船技術やクルーの熟練度は定評がありました。特にサービスクルーのおもてなし度は日本船に匹敵するほど。ドイツ語が公用語だった事が、唯一の難点だったでしょうか。

しかし2019年10月、同社の進化した新造船ハンセアティック・インスピレーション(1万5650トン。乗客230人)が就航したので、言葉の問題はもうありません。英語とドイツ語が通じる船になったのです。

H船首

探検船としては珍しく船首に見学のデッキができたり(写真)パルカや長靴をキープする専用ロッカー室も設置。各室にスキーストックのようなウオーキング・スティックを備え、客室の窓も特大なので絶景が楽しめるでしょう。

双子の姉妹船ハンセアティック・ネイチャーが、2020年度版ベルリッツ社のクルーズガイド本で5スター客船として認定されました。本船も同等のサービスで各国のお客様をお迎えするはずです。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーンエリザベス2世号と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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