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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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船上で迎えるお正月

2021.12.08
クルーズエッセイ

いちど行ってみたいクルーズの上位に入るのがニューイヤー・クルーズです。年末年始といったら自宅で過ごす人が多いですが、近年はハワイへ脱出するなど海外で過ごす人も増えましたね。コロナ後は再びこの傾向が高まることでしょう。今回はこの新年クルーズをご紹介したいと思います。

おひとり様からカップル、ご家族まで

初めて英国船の新年クルーズに乗船した時、あることに気がつきました。おひとり様がとても多かったのです。それも女性のシニアが圧倒的。いったいどういうことでしょうか。何気なく聞いてみて納得しました。

「クルーズなら、ひとり乗船でも独りぼっちではないでしょ。特に年末はカウントダウンとかあってみんなで過ごせるイベントが多いし。自宅で一人で過ごすよりずっと楽しいわ。」驚いたことに、毎年お正月を船上で迎えると決めている「リピーター」さんもけっこういらっしゃいました。

出航前にシャンペン

冬休みになりますから数世代ご一緒のファミリーやご夫婦などのカップル、仲良し母娘などお客様はさまざま。時期はクリスマス後から1月3日ぐらいまでの約1週間が多いですね。船によってはクリスマス&新年の両方を祝う2週間前後にもなる豪華なクルーズも。ハイライトは大晦日の花火鑑賞や船内のニューイヤーズ・イブ・パーティです。

マデイラ島で世界遺産の花火を楽しむ

マディラの花火

写真は大晦日の花火大会として、世界遺産に登録されているマデイラ港(ポルトガル)のものです。なだらかな丘のあちらこちらから、270度の方向で一斉に花火が上がるのは圧巻です。船上からですと絶景だと思いませんか。それもそのはず、客船がたくさん寄港してくれるように考案されたイベントだからなのです。この花火を見るために世界中から観光客が訪れ地元のホテルに宿泊しますが陸上からでは全体を俯瞰することは難しいでしょう。

12月31日から1月1日にかけて、毎年10隻以上の客船がこの花火を見るために訪れます。入港する予約を取るのも大変で1年以上前とか。新しい岸壁も作られましたが、それでも大小合わせて5隻ぐらいが限度です。よって、多くの船は指定された沖のポジションに停泊して鑑賞します。

花火の前後、マデイラ港のフンチャルにも上陸したいですよね。全船の乗客が上陸できるよう岸壁のテンダーボート発着スケジュールも綿密に組まれています。

ここはサッカーのスター選手ロナウドの出身地なので多くのグッズが販売されています。コロナ禍の時は、本人とご家族は丘の上にある一等地の豪邸で自主隔離されていたとか。マデイラワイン醸造所の見学も可能です。アフリカの北西にあるため真冬なのにTシャツで歩ける温暖な気候も嬉しいですね。

新年を2回?味わえるクルーズ

AMS入港中

ビルの合間から見える大きなファンネル(煙突)はクイーン・エリザベス号です。オランダのアムステルダム旅客ターミナルに着岸中のところを、道路側から撮影しました。船社のキュナードラインは近年クイーン・エリザベス号またはビクトリア号のどちらかを配船して、本港で新年を迎えるのを慣例としています。しかし今年はクイーンエリザベスはカナリア諸島にあるマデイラ島のフンシャルで新年を迎える予定です。

母港サザンプトンを12月28日ごろに出航し、フランスやベルギーなどに寄港。12月31日午前中にアムステルダムに入港し、市内や郊外の観光、お買い物を楽しみます。市内へ出ると年末年始限定のスイーツを屋台などで見るでしょう。

オリボーレンはげんこつ型の揚げミニドーナツ。レーズンなどのドライフルーツが入っていて上には粉砂糖がかかっているのが定番です。魔除けになるというお菓子とか。市内ツアーに参加すると大晦日の日は終了時にガイドさんから試食品を頂く事も。人々はこのオリボーレンを大晦日の花火を鑑賞しながらかじるのだそうです。オランダでは花火が禁止されていて、大晦日だけ特別に許可されているそう。

さてクイーンエリザベス号をはじめ新年クルーズの外国客船に乗船すると、不思議な気持ちになると思います。日本ならばクリスマスが終われば、すぐお正月モードにディスプレイが変わるもの。ところが外国客船ではクリスマスツリーなどがまだ飾ってあるのです。これには理由がありました。キリスト生誕のお祝いが正式に終わるのは公現祭という1月6日だからなのです。よって12月25日から12日間は片付けません。もちろん西欧には賀正グッズもありませんので、クリスマス飾りを見ながら新年ということになりますね。

いよいよ大晦日を迎えますと朝からお祝いムードになります。エリザベス号の船内新聞によりますと今回は英国時間をキープしてアムステルダムの時間には変更しないとのこと。これは新年を違う方法で2回味わうグッドアイディアです。

英国時間の午後11時がアムステルダムの12時になります。よって乗客は客室バルコニーや屋外のデッキから、アムステル川の対岸などから上がる地元の花火を鑑賞。音楽つきで約20分ほどだったでしょうか。その後英国時間の12時直前になると放送がありバンド演奏に続き船内のグランドロビーでカウントダウンが始まります。

Happy New Yearと書かれたプラスティック製のシルクハットや女性用のヘアバンド、紙の笛などが配られ新年になったら皆で盛大に祝うのです。カラフルな紙吹雪が飛び、スパークリングワインで乾杯しながら、蛍の光を合唱するのが定番のセレブレーションです。

クルーズの楽しみがここに凝縮されているな、と私は思います。自宅やホテルでは、このように他人と喜びをシェアすることができません。おひとり様の方々や車椅子の方々もクルーや他の乗客と交わり楽しそうです。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーンエリザベス2世号と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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