最近は世界中で次々と新しい客船がデビューしています。処女航海でなくても就航して数年のうちに
乗ってみたい、という人が増えていると聞きました。
どんな客船が乗りやすいでしょうか。クルーズ料金を抑える方法はあるでしょうか。今回は2024年以降の新造船情報をお伝えしたいと思います。
外国船でのフライ&クルーズ

2024年5月、クイーン・アンが就航しました。日本発着クルーズですっかりお馴染みのクイーン・エリザベスの妹船になります。2025年1月からの初ワールドクルーズには日本人客も多少乗られたようですね。エリザベス号と同じ船型なのですが、欧米人が多いクルーズ海域ではダンスタイムの時も常連客らしい人たちでクイーンズルームがいっぱいに。もし機会があったら英国から乗船して7日間のスペイン周遊や北欧のフィヨルドクルーズを試すとより英国風な雰囲気が味わえるでしょう。
また24年2月に就航したサン・プリンセス(プリンセスクルーズ)も乗りやすい客船です。本船は約17万トンでダイヤモンド・プリンセスの妹船。同社初のLNG客船で環境に配慮しているだけではなく自然光を船内に取り入れ、斬新なドーム型施設などが新世代らしい客船だといえるでしょう。8日間の地中海クルーズは丁度いい長さですが、食事のチョイスが多く新しい施設も満載なため時間が足りないかもしれませんね。
選択肢が増えた日本船

飛鳥Ⅲは2025年7月20日就航予定です。
初代飛鳥からの郵船クルーズ社ファンだけではなく、多くの人がこの新造船を盛大に迎え入れるはずです。
本船もLNG燃料に対応し、陸上からの電力も受領可。
日本初のソロバルコニーも設置され、日本船らしい伝統アートで船内は美しく調和しているとのこと。販売当初は予約が取りにくかったようですが、落ち着けば希望のクルーズが申し込めるでしょう。
2024年12月に商船三井クルーズに加わったのは三井オーシャンフジです。ラグジュアリー船として知られた旧シーボーン・オデッセイが日本人向きに改装されて再就航しました。日本のフレンチを代表する三國清三シェフが監修した「北斎」というファインダイニングをはじめ、姉妹船のにっぽん丸から大きく飛躍した食体験を提供している客船です。
「日本の美しい船旅」がコンセプトの本船では、日本各地の小さな寄港地を丁寧に案内してくれます。
鹿児島では薩摩焼の窯元を訪ねたり、広島では老舗お好み焼き店を貸切にして、本場の味を堪能したり。
バハマ船籍のためクルーズ中一度は海外の寄港地を含むのも特徴です。2026年後半には更に同型船がもう一隻船隊に加わります。(船名は未定)
「新造船は高い」という意見に挑戦

写真は、就航したばかりのエクスプローラーⅠというMSCクルーズ上級ブランド客船でミリタリー・タトゥー最終日のツアーに参加した時のものです。予約が困難な日に正面席で観劇できたのもクルーズのお陰でした。
新製品に割高感があるのはどんな商品も同じではないでしょうか。客船に限ったことではありません。
しかしクルーズには選択肢があるのです。すなわちキャビンの種類や乗船時期および日数を選ぶことによって希望金額に近づけることも可能になることも。いくつか例を挙げてみましょう。
キャビン
大型客船なら窓無しのインテリアキャビンもあり。
一室二人が基本料金なので、一人なら同行者を探しましょう。シングルキャビンは少数なのでお早めに。
外側やバルコニー付なら視界不良のキャビンが割安。
乗船時期
GWや夏休み、年末年始は日数が長めで高額です。
できれば2月や4月など空いている時期を選びます。
旅行社に頼んでおけばフラッシュセールなどの割引を受けられるチャンスもあるでしょう。
たとえば前述のクイーン・アン乗船を考えているとしましょう。本船の場合ならフライ&クルーズになります。2025年10月なら英国サザンプトン発着でスペインとポルトガル7日間クルーズがあり航空費も高くない時期で理想的ですね。
また2026年2月はシンガポールから香港までの5日間というショートクルーズが英語版の日程に掲載されています。世界一周の途中なのです。日本在住者にこのような予約が出来るのか、または更に良い時期やエリアがあるか、調べると疑問が出てくるでしょう。ネットでの検索には限界があり、時には古い情報がまだアップされていることもあります。
こんな時のためにもクルーズ専門の旅行社と常に連絡を取り合っておくと心強いと思います。飛鳥Ⅲの予約しにくいショートクルーズを頼んだり、三井オーシャンフジとにっぽん丸の2隻によるイベントなどがあったら早めに情報を流してもらうのです。また2028年就航予定というディズニークルーズの日本船なども、これから話題になることでしょう。クルーズマスターという最高位の認定を受けた専門スタッフが複数在籍する旅行社がお勧めです。