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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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飛鳥Ⅲの命名式に参加して

2025.12.10
クルーズエッセイ

2025年7月11日、横浜港で郵船クルーズの飛鳥Ⅲが命名されました。

同社にとって34年ぶりの新造船で日本最大の客船になったということです。

7月20日に就航し、デビュークルーズは10月の神戸発着まで続くとのこと。

今回は命名式で乗船し船内見学および記念ディナーを体験できたので本船を簡単にご紹介したいと思います。

圧巻のジャパン・アート

人間国宝、室瀬和美氏の蒔絵

人間国宝、室瀬和美氏の蒔絵 写真提供:郵船クルーズ株式会社

客船に入って初めて出会うのが「玄関」にあたるメインロビーではないでしょうか。姉妹船の飛鳥Ⅱは2層吹き抜けで、背後に大きなLEDスクリーンがありますね。

寄港地ツアーの様子などが写し出され食事の前に楽しんでいらっしゃる方もたくさん。

飛鳥Ⅲは5万2265総トンと大きくなりアスカプラザは3デッキ分の高さになりました。

ひときわ目をひくのが壁面で金色に輝く漆芸作品でしょう。

聞きなれない言葉ですが蒔絵とよばれ、この大きさは世界最大級になるだろう、と評判になっています。

この蒔絵をはじめ船内には日本を代表する作家の作品が飾られていました。以下はその一例です。

 

・平松礼二氏のカラフルな「モネの池」シリーズ

・千住博氏のフレスコ画やガラス画の「ウオーターフォール・オン・カラーズ」シリーズ

・田村能里子氏の四季をテーマにした壁絵

 

特に田村氏の無国籍な女性が描かれたソフトな色合いの壁絵は、初代飛鳥から飛鳥Ⅱそして本船へと引き継がれたものです。ファンにとり懐かしい作品でしょう。

また階段アートと呼ばれる壁絵も、つい立ち止まって見とれてしまうほど贅沢で洗練された空間を作り出しています。「洋上の動く美術館」という別名は決して誇張ではない、と思いました。

 

ソロバルコニーが登場

ソロバルコニー
バルコニーを含む19.4㎡の広さ 写真提供:郵船クルーズ株式会社

乗客数は飛鳥Ⅱ(872名)から減り740名。

全客室381室が全て海側バルコニー付でお一人様向けの客室も新設されたのです。

居心地を重視した設計に関心しました。全客室にミニシンクがあって水筒などを洗うことも可能。湯沸かしポットは装備されたドリップコーヒーを作るのに便利なノズル式ですし、引き出し内部はすべてブルーの柔らかい布が張られ、細かい物も見やすく取りやすい工夫あり。また全室にウオークイン・クローゼットがあり使い勝手がよくなりました。

人気なのは「ミッドシップスイート」の日本全国47都道府県を割り当てた客室でしょう。たとえば東京都は客室番号の「9026」という具合です。

その地域の多彩な文化や工芸品が飾られたり、名産のウエルカムーツやドリンクが用意されるとは

日本の郷土文化を愛でる楽しみにはるはず。。

日本船として全室バスタブ付ですが12デッキの前方に「グランドスパ(展望大浴」)があります。進路を眺めながら入浴したり、露天風呂で波の音に耳を傾けるのもクルーズの楽しみ。飛鳥Ⅲは客船でありながら洋上リゾートでもあるわけです。

 

6つのダイニングという選択肢

飛鳥ハンバーグとステー
飛鳥ハンバーグとステーキ 撮影:吉田あやこ

欧米の客船により近づいたな、と感じさせるのがダイニングの領域です。もともと客船ではメニューに多くの選択肢があり、毎日選ぶのに困るほどです。

飛鳥Ⅲには以下のようなチョイスができました。

 

・ノブレス(フレンチ)夕食 要予約

・アルマーレ(イタリアン)夕食 席料有 要予約

・海彦(割烹)夕食 席料有 要予約

・フォーシーズン・ダイニングルーム 朝昼夕

・エムスガーデン 朝~深夜

・グリルレストラン 夕食 要予約

 

ペントハウス客室のお客様は席料不要です。予約は乗船前から可能とのことですが、場合によっては船内にて行うことになるようです。

 

命名式の記念ディナーでは、飛鳥Ⅲを代表する各レストランの特選メニューが厳選され特別なコースに仕立ててありました。その一皿一皿に寄り添ったのは、ソムリエが心を込めて選び抜いた至高の一杯。

 

前菜:貴族のパテ(フレンチのノブレスより)

丁寧に焼かれ、リッチで高級感あふれる一品でした。

2022 Pouilly-Fuisse白ワインシャルドネ

 

パスタ:大葉のジェノベーゼパスタ

(イタリアンのアルマーレより)

福島産のさわやかな大葉が使われていました。

2022 Alsace Grand Cru Wineck

アルザス辛口のリースリング傑作

 

主菜:ステーキ(エムスガーデンより)と

飛鳥ハンバーグ(フォーシーズン・ダイニング)

写真で分かるでしょうか。お肉はほんのりピンクで柔らかく旨味たっぷり。飛鳥の煮込みハンバーグはさすがの逸品でした。

2022 Chateau Beychevelle

仏サン・ジュリアン

 

デザート:抹茶プリン&抹茶のフィナンシェ

甘味を抑えた2品は日本人にピッタリの甘味で食後のコーヒーによく合いました。

2022 Carmea de Rieussec

仏メドック産の貴腐ワイン

 

最後に

飛鳥Ⅲを下船し横浜港近くのホテルに戻りました。7月11日の夜、本船の命名を祝って立派な花火が上がり出したのは夜7時半です。飛鳥Ⅲはこれから姉妹船と2隻体制の運航に。日本もクルーズ新時代に入ったといえるでしょう。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーン・エリザベス2と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年以上。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年以上の乗船経験あり。
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