コロナ後の世界は大きく変わりました。
日常生活でもデジタル化が進み、多くの人がスマートフォンなどを使い最新技術の恩恵を受けているように思えます。
クルーズという旅も例外ではありませんね。今回は乗船前に確認したいことを挙げてみました。
2025年旅券(パスポート)

国内海外のクルーズにかかわらず個人の身分証明として必須なのが旅券です。
これが2025年3月24日の申請分から変わりました。
偽造や変造対策を強化するため顔写真ページにプラスティック基材を用い、レーザーによって印字や印画されることに。
従来よりも交付に時間がかかるため外務省の案内によれば「ぜひお早めに申請を」と勧めています。
申請から交付まで約2週間。「渡航の1か月前迄に申請」するのが目安とか。
時間がかかるのは印刷所が従来の都道府県旅券事務所ではなく、紙幣も印刷する国立印刷所だからです。
安全対策なので仕方ありませんが、ではいつ申請すべきでしょうか。
切り替え申請は旅券の残存有効期間が1年未満になった時から可能です。
「お早めに」と言われてもクルーズの予定を考えたら、申請のタイミングというものがあるでしょう。
なぜなら世界各国で求められるデジタル認証に期限があり、旅券に連携しているからです。
5つある世界の主なデジタル認証

英国に住んでいる私は昨年とても残念なニュースを聞きました。
シニア世代のある英国人夫婦が旅券に不備があったため乗船できなかったというのです。
客船はクイーンメリー2でサザンプトン港からNYまでの大西洋横断クルーズでした。
理由はエスタ(ESTA)という米国電子渡航認証(デジタル認証)を取得していなかったため。
旅行社を通さず個人でクルーズを申し込み、エスタが必要だと知ったのは乗船直前だったので間に合わなかったとのこと。
かつて渡米時はI-94Wという緑色で縦長の用紙を記入したものです。
エスタはこれに代わるもので英国人も日本人と同様に事前の申請が必要でした。
一度取得すれば2年有効で複数回の渡米が可能です。
みなさんの中には今夏アラスカクルーズをするためにエスタを取得した方がいるかもしれません。
まだ有効期限内ですからグアムやハワイなどに寄港する年末年始クルーズでも使えますね。
しかし2025年旅券のことを聞いてウッカリ切り替えてしまうと再度エスタを申請しなければなりません。
旅券変更で失効するからです。
以下が世界の主なデジタル認証5つになります。
・エスタ ESTA(米国)
・イータス ETAS(豪州)
・ニュージーイーティーエー NzeTA
(ニュージーランド)
・エタ ETA(英国)
・エティアス ETIAS(欧州国)2026年開始
たとえば日本人が前述のクイーンメリー2で英国から米国へクルーズする場合はどうなるでしょうか。
まず航空機で英国入国時に求められるエタが必須で米国入国に必要なエスタは乗船時に確認されます。
両方を事前にオンライン申請してクレジットカードで支払って、各自が準備することになるわけです。
欧州へのフライ&クルーズ

地中海クルーズやドナウ川クルーズなど、欧州は年間を通じてフライ&クルーズの人気エリアです。
一般的な乗船地としてはチビタベッキア(イタリア)、バルセロナ(スペイン)、ブダペスト(ハンガリー)、アムステルダム(オランダ)などがあるでしょう。
シェンゲン協定参加国とよばれるこれら約30か国は、2025年10月12日から入国審査前に生体認証が必要になりました。
とりあえず今は行く予定がないという人も、知っておくとよいでしょう。
ESSとはEntry/Exsit Systemの略で出入域システムのことです。
日本人のような非EU国旅券をもつ人の出入国データを電子的に記録するというもの。
欧州の空港に到着したら、キオスクとよばれる端末で画面に従って生体認証を登録します。
・氏名などの基本情報を英語で入力
・旅券の顔写真ページをスキャンする
・顔写真の撮影、親指以外の右手4本の指紋登録
米国のエスタとは異なり、事前申請は不要で無料ですが非EU国の人は全てこのESSを行うので空港によって長い列ができる可能性があります。
欧州内で乗り継ぎをしたり到着後そのまま乗船港へ向かう場合は時間に余裕をもたせる必要があるでしょう。
この生体認証は3年間有効なので一度行えば次回は入国審査へそのまま進めるというわけです。
このESS導入終了後、欧州は2026年の10月以降にエティアス(ETIAS)というデジタル認証が施行予定になっています。
米国のエスタにあたるもので、日本のようなビザ免除対象国の国民がEU加盟国に短期滞在する時に事前承認される制度です。
オンラインの申請で€7(約1100円)をクレジットカード決済すれば、3年間有効。18歳以下と70歳以上は無料ですが申請は必要です。
<最後に>
クルーズによっては乗船の荷造りよりデジタルな準備のほうが時間を要するかもしれません。困った時に相談できる旅行社があり担当者を知っていれば乗船前のストレスを減らしてくれることでしょう。