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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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世界一周クルーズ 6の5「イベント」

2023.02.15
クルーズエッセイ

世界一周クルーズが再び話題になり予約も好調だそうです。洋上ホテルといわれる客船で数か月にもなる長旅。たとえ乗船しなくても気になりますね。

最近よく質問を受けます。「実際はどうなの?」ガイド本やネットには情報がたくさん出ていますが求められるのは「活きた声」でしょう。ありがたいことに私は英国船6隻で計8回、世界一周をさせて頂きました。区間乗船を入れると10回を超えます。クルー又はコーディネーターという仕事だったので日本人のお客様から多くのご質問を受けてきました。

この体験をこれから6回でシェアしていきたいと思います。第五回目のテーマは「イベント」です。

 世界の5大陸をめぐるような広域で長期クルーズですから、大小さまざまのイベントが開催されます。船内や屋外デッキ、寄港地など違う場所で行われ、入港や出港時、夜限定の催しなど、開催される時間も変化に富んでいるのです。どんな種類があるのか、みてみましょう。

赤道通過祭

赤道通過祭
船長とネプチューン神が主役 撮影:吉田あやこ

どのように始まったか

ロングクルーズの定番として最も有名なのがこの赤道通過祭です。略して赤道祭とよばれることも。

北半球から南半球へ行く時に赤道を通過するので、通常は写真(コロナ前)のように屋外デッキで開催されます。客船だけのイベントだけではありません。貨物船や海軍、そして潜水艦でさえ行うという船舶にとって欠かせない儀式なのです。

かつて帆船時代の赤道付近は難所でした。無風で突然スコールもあって船乗りは不安だったそうです。そこで安全にこのエリアを通過できるよう祈願して寸劇を含めた「通過儀式」を行うようになりました。

航海日が長く続き、娯楽が少なかった海員も楽しみながら参加し、士気も上がったと報告されています。

登場人物とストーリー

昨今の客船では、クルーや乗客有志が参加する船内イベントになりました。主な登場人物は以下の通り。

  • ネプチューン(海神)と家来
  • 赤道通過を祈願する船長
  • 海賊と生贄(乗客)
  • 英国風のカツラを被った法廷弁護士
  • 生贄を捧げる時の医師団

 

赤道が近づくと、船内新聞でこのイベントが発表され、デッキのプール付近に人が集まります。無事に通過できるか否かは、海の神ネプチューンしだい。生贄として乗客多数がプールに投げ込まれ、手術衣のドクターも登場。トマトケチャップとソーセージを乗客の体にこすりつけて「解体」するので大いに盛り上がるのです。

生贄が十分に捧げられたか、法廷裁判で判定されネプチューンが満足すれば本船は無事に赤道を通過できます。船内新聞と共に名前入りで赤道通過証明書が夜に配布されるでしょう。再び北半球に戻る時には2回目の「裏赤道祭」開催もあります。

カレンダーに記載されている記念日

氷のバレンタイン
バレンタインのブッフェ 撮影:吉田あやこ

写真はクイーン・エリザベス号で開催された夜のバレンタインデーのお菓子ブッフェです。テーマはもちろんチョコレートで、各種ケーキやビスケット、マシュマロや苺を付けて食べる液体チョコレートも出ました。ディナー後にバレンタインボールという特別なダンスタイムがあり、ドレスコードも「可能なら赤を加えて」というロマンティックな演出です。

客船によりクルーズ時期は異なりますが、暦の上で以下のようなお祝い行事があります。

  • 1月26日オーストラリア建国記念日
  • 2月6日ニュージーランド・デー
  • 2月14日バレンタイン・デー
  • 3月17日セント・パトリックデー
  • 4月1日エイプリルフール・デー

 

移動休日になるキリスト教のイースター(復活祭)やハロウィン、米国建国記念日や感謝祭、邦船なら盆踊り大会なども船内イベントに加わるでしょう。特に興味がなくても、知識を深めたり友人を増やすことができるチャンスですから参加したいものです。

寄港地にて

フィジー
民族衣装で歓迎 撮影:吉田あやこ

入港時に盛大な歓迎を受けることもありますが、写真のように、少人数でのウエルカムも嬉しいものです。フィジーの小さな港ポートデナラウでは地元の伝統芸能メケで迎えられました。

出港時に岸壁で行われるブラスバンド演奏のほか現地のエンターテイナーが乗船し歌と踊りのショーが披露されることもあります。ニュージーランドのマオリ族の戦士が戦いの前に踊ったというハカなども、民族舞踊としてしばしば船上でも楽しめます。

ノーイベント・デー

最後に、ひとつ提案したいのが「何もしない日」をつくること。日本人の私たちは何でも頑張る傾向がありますね。しかし毎日ですと疲れるでしょう。

世界一周クルーズはマラソンと同じです。邦船では長いクルーズに「ノー・イベントデー」を設定し、船内イベントをゼロにしていることがありました。外国船に乗っても自主的にこれを行い、体を休めるのです。「日曜日」を作れば、活力も戻るはずです。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーンエリザベス2世号と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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