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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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何故か懐かしきウェステルダム

2024.03.27
クルーズエッセイ

懐かしい船

懐かしい船に乗りました。と言っても以前乗ったことがある船ではありません。

乗船しクルーズが進むにつれ、クルーズってちょっと前までこういう感じだったなと懐かしい気持ちになったのです。

ファンネル

総トン数82,305トンの中型サイズ。ホ―ランドアメリカラインのウェステルダムです。

大型船とは一味違う、人と人とのコミュニケーションを大切に考える、気持ちが穏やかになる船だと思います。

定評のホスピタリティ

なんといっても一番印象深いのはオフィサー&乗務員のホスピタリティの高さです。

昔からホーランドアメリカラインはインドネシア人乗務員が多く、優しい心遣いと心地よいサービスが定評でした。

客室係の作ってくれたトナカイ
ウェイターによるスィーツトリートのパレード

加えて、キャプテンもとてもフレンドリーで、自分の生い立ち、過去の勤務経験などを臆さず披露。クルーズ中様々な場所に出没し乗客とおしゃべりに興じ、寄港地に入れば毎回キャプテン自ら乗客のお出かけをお見送り。

もちろんキャプテンはじめ乗組員、オフィサー共に挨拶を欠かしません。すれ違う時には必ずグッドモーニング、ハロー、と一言でも言葉を交わします。挨拶の気持ちよさを改めて感じます。

一味違う

多くのクルーズ船が時代の移り変わりと共に以前感じられたクルーズ特有の親密感を感じる事が希薄になりました。サラッとした感じとでもいうのでしょうか。特にコロナ以降はそれに拍車がかかりなんとなく寂しさを感じていました。

乗客と乗務員達のコミュニケーションをとても大切にし、担当セクション以外の場所でもお客様対応をするオフィサーと乗務員の姿を多く目するこの船に乗り、こういったサービスを保ち続けている船に出会えた事がとてもうれしくなりました。

故郷クルーズ

前述しましたが、この船には客室係やダイニングのサービススタッフなど多くのインドネシア人が働いています。

私の乗船したコースはシンガポール発着、途中インドネシア4箇所の寄港を含む、多くの乗務員にとってのホームスイートホームの里帰りクルーズとも呼ばれる15日間のアジアクルーズでした。

乗船したすぐに、クルーズダイレクターから、「このクルーズはインドネシアの寄港地に多数入港。懐かしの我が家のある町に入港するという乗務員も少なくありません。乗組員の家族達も多数訪船する事になっています。」と案内がありました。

確かにクルーズが進む中、船内でも乗客とインドネシア人スタッフの会話の中に、「寄港地では家族が来るの?」「家に帰るの?」「何か月ぶり?」という会話がそこここで聞こえてきました。

そしてジャカルタ、セマラン、スラバヤ、バリ島に寄港。各港共にそれぞれの民族ダンスなので華やかにお出迎えしてくれました。それと併せて港のターミナルには大々的に訪船家族用の受付カウンターが設置され大賑わい。多くの家族、友人が楽しそうに、嬉しそうに船に乗ってきました。

ベノア港にて

普段見せることのできない自分の職場を家族に見せ、住まいが港近辺の人はその後自宅に戻り久しぶりに家族との食事を楽しんだようです。中には片道2時間の道のりをかけて実家に帰る人もいました。遠い道のりも何のその、やはり久しぶりの実家は帰りたくなる場所です。

小さい子供のいるお父さんクルーにとってお別れは辛いものでもあったようです。子供に泣かれ、船に戻るのが辛かったと話されていました。アジアクルーズ中でもインドネシア寄港は多くなく、次に会えるのは勤務を終了し、船を降りた時。その時が待たれますね。

嬉しいサービス

この船の嬉しいサービスが船に居ながらにして寄港地の名物料理やお菓子、現地のフルーツが楽しめたことです。夕食ではサテーやパッタイ。ティータイムでは定番のスコーンやサンドウィッチに加えて現地から仕入れたというココナッツ菓子。

ブッフェではトロピカルフルーツの夕べも催され、パパイヤ、マンゴー、シャックフルーツ、ランブータン、龍眼などの新鮮フルーツを存分に楽しめました。現地のお菓子など毎回毎回仕入れているとの事、このひと手間、大変だとは思いますが、乗客たちの満足そうな笑顔と食後のおしゃべりの話題からもその苦労は報われていると確信しました。

インドネシアのお菓子もサービスされるアフタヌーンティー

創業150周年の歴史

ホーランドアメリカラインは今年で創業150周年。

この親密的な雰囲気は船のサイズが中型サイズである故からかもしれませんが、10万トン近い新造船でもこのホーランドアメリカラインらしさは変えていないとの事。反対に10万トンを超える大型船を導入しないのは、この雰囲気を保ちたいという思いからかもしれませんね。クルーズ会社はそれぞれの持ち味というものを持っていることを改めて認識しました。

社名の通り、150年前多くの人々がオランダ領東アジアへの通運の為、また大西洋を渡りアメリカという新天地を求め航海しました。

移動手段は航空機にとって変わりましたが、そのおかげで船はクルーズ船としてレジャーの場で活躍できる道ができました。その恩恵に与りさまざまなクルーズを楽しめるようになった私たちは幸運と言っても良いのではと思います。

春秋は外国船クルーズで賑わう日本の港ですが、ウェステルダムも同様に日本発着クルーズを行います。 船内でも「次のクルーズは日本の横浜からの乗るのよ。」という方に何人もお会いしました。確かに人気のクルーズなのでこの春のクルーズはほぼ売り切れですが、秋、来春と日本発着クルーズは続きます。

飛行機に乗らずしてホーランドアメリカラインのクルーズの良さを実感できる良いチャンスがやってきます。

執筆者 | 前村あけみ
学生時代、日本の旅行会社によりチャーター運航されたYAO HUA(耀華号)に姉にお金を借りて乗船しクルーズの楽しさを知りビックリ!世の中にはこんな楽しい世界があるという事を知る。その後、その船にスタッフとして乗船勤務した後、株式会社クルーズ・バケーションに入社。プリンセス・クルーズ、キュナード・ライン、リージェント・セブンシーズ・クルーズ、P&O クルーズ、オリエント・ライン等の多くの船会社の販売に携わる。 又プリンセス・クルーズのアラスカのシーズン中にはクルーズ・コーディネーターとして乗船。 14年勤務の後フリーランスとしてプリンセスクルーズ、キュナード・ライン、セレブリティ・クルーズ、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、ノルウェージャン・クルーズ等日本に紹介されている多くの客船にコーディネーターとして乗船。
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